「宝石」という言葉から想像するものは何でしょう?
美しいたくさんの宝石を身に付けた中世の女性の姿であったり、あるいは、世界的に有名な大英帝国の宝冠、古代帝国の秘法、さもなければ、きらびやかな銀座の宝石店のショーウィンドーの様子などさまざまなものが想像できると思いますが、いずれもゴージャスで華々しいものを想像すると思います。
ですが、誰もがその美しい宝石のスタート地点、採掘の現場を想像することはないと思います。文字通り泥まみれになった男たちが、炎天下の中、あるいは湿気と暑苦しさで息も詰まるような採掘坑の中で、毎日死ぬほど厳しい採掘作業を行っている荒々しい場面です。
宝石の主産地は世界中に散らばっていて、それぞれの国、それぞれの土地で異なった採掘方法が取られていますが、共通して機械化が進みラクな作業ができる採掘場はごくごく限られていて、昔ながらの手掘り作業が今でもなお続けられているのです。ちょうど、新潟県佐渡島の金山や栃木県の足尾銅山などを訪れると、江戸時代の採掘作業の様子を人形が再現していますが、宝石の採掘作業もあれと同じような雰囲気です。
でも、宝石の場合は鉱山や金山のように、掘れば掘っただけゴロゴロ出てくるわけではないし、一つで数億円の価値があるような大物を見つけるというようなサクセスストーリーは一生に一度お目にかかれば最高のラッキー、それこそ宝くじに大当たりするような確率です。それでもなお一攫千金を信じて毎日毎日過酷な超激肉体労働をひたすらやり続けるのです。その作業の様子を見ていると100万円を超えるダイアモンドでさえも「この値段は妥当だ」と思えてしまうほどのものなのです。
宝石に関して、単に「高い」というイメージしか持っていない人、価値のあるものを持っているという自己満足で持つ人も多いかと思いますが、日本の人々が知らない、知る由もない美しい宝石の陰に潜む努力、世界の宝石採掘現場の実態に迫ります。