21世紀を迎えて早10年、オゾン層の破壊、海面の上昇、異常気象などの異変が世界中の至る所で起こり、世の中は「地球環境の保護」、エコブームが一層盛り上がって来ました。石油や石炭に代わるエネルギー開発がどんどん進み、やがていつの日かやってくるであろう地球資源の枯渇に備えています。そんな中で同じように地球の資源の一つである「宝石」はどんな状況なのでしょうか?
遥か遠い古代から現代に至るまで絶え間なく採掘し続けられ、ある採掘地では既に枯渇寸前で虫の息という状況を迎えています。かつて「黄金の島」と呼ばれるほどの採掘量を誇った日本の金が全て掘りつくされて、現在は全く産出されなくなってしまったように、宝石も既に掘りつくされてしまい、閉鉱となってしまった採掘地もいくつかあります。世界有数の産出国であるスリランカでさえも、最近は1カラットを超える大物は殆ど産出されなくなってきました。
そんな中、特にロシアやオーストラリア、マダガスカルなど、新たなる産出地が発見されてはいますが、いずれにしろたどる道は同じことでしょう。
宝石には石油石炭のように「代替品」を開発できるわけがないのです。いつの日か新しく産出された宝石は宝石店のショーウィンドーから消え、骨董品屋のように、古いものを買い集めて販売する世の中になってしまうのかもしれません。
最近では特に全国チェーンの「貴金属買い取りショップ」なども目立つようになってきました。彼らは顧客からアクセサリーなどを買い受けた場合、まず、土台の金、銀、プラチナなどから宝石を取り外し、土台の部分は再度溶かして新しい製品に作り変えているようです。
しかし、土台から外した宝石には留め金が付けた傷や、色のくすみなどのダメージは避けられないので、傷ついた部分を取り除くため、宝石を再度カットし直すリカット作業を施した上で再度市場に送り出さざるを得なくなります。その作業により新品のように傷のない美しいものができますが、大きさは削り取られた分どんどん小さくなるばかりなのです。
ダイアモンドの後を追い、全ての宝石、しかもサイズが1カラット以上あるものはどんどん稀少価値が高まり、エコブームがさかんになればなるほど、その価格も上がり続けて行くような気配が強く見受けられます。